2)家族仲良く/客のもてなしのインテリア【人と楽しく過ごす】

シン・インテリア術 3つの効果

人との距離(対人距離)で、適切なコミュニケーションは違います

『伝え方が9割』の書籍が人気で、内容を組み立てて伝えることが大切である、と解説した良い本です。
確かに、これが大切なシーンもありますが、全てがそれで伝わる訳ではないですし、話の組み立てばかり考えても大変です。日々の生活はもっと楽なコミュニケーションがあります。

それが『対人距離で心理状態が違う』ことを意識したコミュニケーションです。
どんなシーンで何を伝えるか『言葉はいらない』ことの多い日常生活ではとても有効です。
例えば『仲良くしたい』と愛情を伝えるのは言葉よりも、伝わるしぐさや行動があり、それは対人距離が近い時に行うとよいのです。
家族、恋人、友人と良い関係を作るには、会話で何かを伝えるのか? 愛情を伝えるのか? その内容にあった『対人距離』で伝えるのがよいのです。

『対人距離』は環境心理学の先生方が研究していて4分類に定義されていています。ここでは東京大学 西出教授の定義で紹介します。どんな距離でどんな生活シーンがあるかを想像して、インテリア作りをしてみましょう。

『対人距離(環境心理)』(東京大学 西出教授の定義)

【排他域 50cm以下】
絶対に他人を入れたくない心理が働く(満員電車が嫌と感じる)会話はしない距離。
親しい人だけが入れて気持ちを共有でき、愛を感じて、心を開いたコミュニケーションがしやすい距離です。
会話よりも、心を通わすことのできる生活シーンを紹介します。

【会話域 50cm-1.5m】 会話が最も弾む距離で、話しやすく聞きやすい情報の交換に適しています。逆に会話をしていないと『気まずい』ので何かをして、間を持たせようとします。(TV、スマホを見たり/本を読んだりなど) 会話を弾ませるため、話題を提供するインテリアのしつらいを紹介します。

【近接域 1.5-3m】
 相手が何をしているかわかり、常に気配を感じる距離。会話は無くても『気まずく』感じない距離なので、別々のことをしていても違和感はない。
 生活シーンは、ダイニングとリビング/キッチンとダイニングなどの距離。それぞれ自分の事をしながら、相手の気配を感じているので、仲は良いけど自立している成人の家族のLDKでの過ごし方に適している。

【相互認識域 3-7m】
 顔の表情、誰であるかが分かるので、相手を無視できない距離。
 生活シーンは、リビング入り口とキッチンの距離。部屋に入ってきたら笑顔で声をかけるなど、軽いコミュニケーションが必要。