マンションで、置き畳茶室を作った事例

お施主さんはマンションの最高階にすむお洒落な茶人

 有名な茶道の先生に習っている方から、『マンションの開いた部屋に置き畳を敷いて茶室にしたい』とのご相談を受けました。

 畳の敷き方と、床の間のしつらいをどうしようか、決めかねているご様子でした。

既存のモダンテイストを活かした茶室のご提案

 茶室の間取りは部屋の大きさから『平三畳の上座の壁床、上げ台目切りの位置に釜を置くのが使いやすい』とアドバイスしました。
 既存のリビングがお洒落なモダンインテリアで、壁にエコカラットが貼ってあるので、床の間の壁もエコカラットを貼ったらどうですかとの提案をしました。
 畳は琉球畳の縁無しを市松に敷くモダンな雰囲気がお勧めです。

置き畳茶室にする部屋
モダンでお洒落なインテリア
4帖弱の洋間を『向切りの炉』を切った茶室にリフォーム

数日後、完成したお洒落な茶室の写真を頂きました

 材の選びはは全てお施主さんです。
 モノトーンのお洒落なインテリアに合わせた、モダンな置き畳茶室です。お施主さんのセンスの良さが伝わってきます。

 床の間にする壁に貼ったエコカラットは、リビングとは違うグレーの色が混ざった深みのある色合いです。畳の色合いと良く合っています。 

 床の前には、花入れを置く板が壁いっぱいに敷いています。
 花入れは、天井のピクチャーレールに掛けたお軸の横に、垂撥で下げるか、又は、床に板を敷いても良いですと伝えてありました。
 お施主さんのセンスで、黒い板を敷きつめていました。素敵です

モノトーンのインテリアに合わせた、置き畳茶室 リビングから見る
モダンでお洒落な置き畳茶室
モダンな花入れの荘りかたです

淡交社『なごみ』の取材

 写真を頂いたちょうどその頃、淡交社の『なごみ』編集長から、『特集 マンションで茶会』の企画相談と記事の依頼があり、『生活空間を茶室に変える工夫とアイデア』のコンセプトにあうとのことで、撮影取材をすることになりました。

 お施主さん宅は、マンションの最上階のなので「夕日が入ると、ブラインドを通した光と、丸い鏡に反射した光が、床壁に当たってとても幻想的です」とのは話があり、午後遅くに撮影が始まりました。
 その時の雰囲気は、写真を見て下さい。

 本来の茶室は閉ざされた空間の中で、一座建立の場を作るのですが、日常空間を使った茶の湯のあり方は違う…とつくづく考えさせられました。
 今回のマンション置き畳茶室は『空が近い所で茶を飲む』雰囲気があり、野点のように雄大な自然の中で茶の湯を楽しむのにも似た感じがいたしました。

 茶の湯の楽しみ方は、様々な形があって良いのだと感じました。

なごみのプロのカメラマンの撮影風景
縦縞の光がブラインド、半円が鏡に反射した光
ブラインドを通した光も美しい
時間ごとに、光環境は刻々と変わっていきます

『本格的な茶室を作りたい』『茶室設計をしてほしい』『DIYで作るのでアドバイスがほしい』など、様々なご要望にお応えします。
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