戸建茶室リフォーム事例

Design and Construction Examples

大貫雄二郎一級建築士事務所

戸建茶室は、外空間の演出も少し意識してみます

 『庭と言えるスペースは殆どなくて…』そう思われる方が多いかもしれません。
 蹲まで設置した露地(茶庭)を作るのは大変ですが、1階茶室なら窓の先の庭を少しだけ意識してみましょう。
 魅力的な茶室に、さらに潤いが生まれます。

【戸建て茶室】茶室四畳半・水屋半畳・道具収納半畳 合理的な使い方

お施主様は、若い頃に茶道をされていて結婚後に中断、お子様が社会人になられ茶道を再開された方です。
洋間に置き畳を敷いてお稽古をしていましたが、裏千家の茶名を頂いていたのを機に、簡単な作りでも茶事を出来る茶室をご希望されていました。
旦那様が大手住宅会社の一級建築士で「どうせ作るなら茶室らしい雰囲気は作った方がよい」とのお言葉があり、
既存を活かしたシンプルな部屋の中に、ポイント的に数寄屋の記号を入れた茶室です。

茶室設計 図書

間取り図
・和室を洋間にリフォームしたお宅で、北側に廊下のある、収納含めて6畳の部屋です。
・四畳半茶室と、水屋、収納の計画をします

【after】茶室、露地平面図

南面障子と収納
・障子の半分が収納に隠れる納まりになっているのは、洋間へのリフォーム時に、後から収納を付けたためです。

【after】内観イメージ

茶室、水屋展開図
・置き畳を敷いてお点前のお稽古をしていました。この廊下へのドアと収納を解体して、最適な計画を考えます。

【after】茶室展開図

茶室設計 図書

間取り図
・四畳半上座の壁床の茶室です。水屋と収納を付けています。
・廊下側から貴人口と水屋の入口を引違い障子で付けています。
・既存の障子や棚などを残して、コストUPを押さえた設計です。
・南の隣地側に竹垣を付けて、障子を開けた時の風景をつくります。

茶室展開図
・茶道口と収納の襖は一つ溝で茶室を狭くしないようにし、茶道口の上に下地窓を付け茶室の雰囲気作りをします。(図面の右上)
・部屋が明るいので、客座は紺色腰紙を貼っています。
・壁と天井はクロス仕上げ、畳は既存床の上に設置します。

水屋の詳細図
・給排水の無い水屋で、置き水屋のような使い勝手です。
・棚は『可動のガチャバシラ棚』にして、コストを抑えながら収納量を最大限に使えるようにしています。

収納内棚
・茶道具を沢山仕舞えるように、棚をL型に配置。
・『台子、長板、棚、風炉先屏風』など、大型の道具も仕舞えるように、棚の長さを調整しています。

茶室完成 写真

貴人口見た茶室の風景
左写真は水屋の突込茶道口から見た風景。右写真の水屋の流しは一間幅、収納が背面にも一間幅であり使いやすいです。

壁床
・床柱と花釘、軸釘と中釘のシンプルな壁床
・右手の障子からの光が明るく、掛軸と花が映えて見えます。

点前座 茶道口と収納襖
・柱の左右は杉の面皮柱。・茶道口の上の下地窓。客座から良く見える風景を、本格的な茶室の仕様で作っています。

下地窓
・茶道口上部の下地まど。皮付の葭を1~4本を不揃いに縦、横に組み、上下2段、左右2列に藤葛でからめます。

床柱
・床柱は栗なぐりの八角を半割にしたもの
・窓枠との取り合いがあるため、サイズ形状など詳細に決めた仕様

水屋
・水屋の茶道口を開けた時の風景
・狭い空間の中に、棚数を増やし、使いやすさを重視した仕様。

茶道具収納
・L形に配置し、棚数を最大限入れた仕様。
・右手側に、台子、長板、棚、風炉先屏風など、仕舞えるように、棚の長さを調整。

廊下 貴人口と水屋入り口
・右手が貴人口、左が水屋入り口
・元のドア高さがあり、障子周りのクロス補修をする。広くなったオデコに扇子を荘る。

茶室前の荘り
・裏千家鵬雲斎大宗匠から頂いた扇子です。本来は扁額を掛ける場所ですが、コストを抑えながら、お家元へ敬意を表しています。

【戸建て茶室】茶室八畳・水屋五畳・露地

【セキスイデザインワークス時代の施工事例】

お施主さんは、裏千家茶道を長く修道されている方で、親しいご友人と茶事や七事式をする八畳茶室がご希望でした。
元々は八畳+広縁の和室だった部屋を、南側に少し増築して、水屋と茶室、そして露地を作りました。
茶事ではLDKを寄付きにしますので、そのお客様の動線を考慮します。

茶室設計 図書

間取り図
・八畳広間で北側に約五畳の水屋。茶事ではLDKを寄付きにします。
・庭は茶室前の内露地と、LDK側の外露地で敷石の組み方を『行と草』に変えています。

【after】茶室、露地平面図

イメージパース図
八畳客付き上座床の茶室で、床の間は客付き中床の茶室です。面皮柱を随所に使い、天井も杉のほど良いな中杢の材で、柔らかい雰囲気を作ります。

【after】内観イメージ

茶室、水屋展開図
茶室は長押のない草案型広間。
水屋の一間幅の流しの横と後ろに収納があり、茶道具の大きさに合わせて棚を配置し使いやすくしています。

【after】茶室展開図

茶室完成 写真

茶道口からの茶室の風景
八畳広間で床の間は客付き中床の茶室。床の間は黒の真塗り框で締めながら、床柱は天然ものの絞り丸太を使い、侘びた風情を作ります。

【after】茶道口から見る

貴人口は腰付き障子
南側に腰付き障子の貴人口を設けています。露地空間が美しく、中立の時間も楽しみなしつらいです。

【after】茶室と露地の繋がり

床の間と床柱
床の間は絞り丸太と面皮柱に挟まれた柔らかい風情のなか、真塗り框がきりりと見えます。墨蹟窓から柔らかい光を入れます。

【after】床の間

水屋
左写真は水屋の突込茶道口から見た風景。右写真の水屋の流しは一間幅、収納が背面にも一間幅であり使いやすいです。

【after】茶道口と水屋

露地
左側は外露地で、敷石は洗出しと石畳を取り混ぜた『行』のしつらい。右側の茶室前の内露地は飛び石で『草』のしつらいです。

【after】露地

露地2
左写真は外露地のLDK側。右写真は露地裏の洗出しと切り石の道。御簾垣のシュロ縄を付けずに軽快に仕切りっています。

【after】石敷と御簾垣

【戸建て茶室事例】続き間の次の間を、小間の茶室にする

【設計のみ。他社で工事】

お施主さんは、裏千家茶道を長く修道されている方で、八畳+七畳の続き間を、広間と小間の茶室にしたいとのご要望。
仲の良い茶人と、小間と広間の茶室を使いながら茶事などを楽しみたい。

設計図書など

間取り図
・広間茶室は現状をなるべく残しながら作ります。
・七畳次の間に小間茶室と水屋を計画します。

【before】和室続き間 8畳+7畳

間取り図
・広間は炉を切り、客付き上座床の茶室を計画。
・小間は平四畳とし客座は掘り炬燵の様に足がおとせます。

【after】茶室間取り図

イメージパース図
・点前座は落ち天井 蒲仕上げ。
・客座は全て駆け込み天井の侘びた風合い

イメージパース図 躙り口から見る
床の間が正面に見える配置(初期バース)
駆け込み天井は奥に広がりを見せる

イメージパース図 広間
・炉畳だけ新規に変更で、茶室として使う
・現状を生かして何処を変えるか

茶室 完成写真

小間茶室 点前座の風景
・元々の太い柱を活かした、やや民家調の雰囲気
・なぐりのある太い床柱など、色を付けた木材

小間茶室 客座側の風景
・手前の長い畳を外せば足を落として座れる
・客座と広間へは、障子が隔ている

茶室、水屋展開図
・床柱はなぐりのある栗皮付
・落し掛けは神代杉

間取り図
・床の間は蹴込床 
・地板は神代杉の古材

イメージパース図
・書院ベースをややモダンにアレンジ
・床の間は既存のまま

『本格的な茶室を作りたい』『茶室設計をしてほしい』『DIYで作るのでアドバイスがほしい』など、様々なご要望にお応えします。
お気軽にお問い合わせ下さい。

【戸建て茶室】広縁を「寄付き、待合、蹲」に使う

表千家茶道を長く修道されている方で、八畳茶室の前の広縁の使い方と仕様のご相談です。(新築工事を住宅メーカーで契約をされていて間取りは決まっています)
広縁の使い方は、茶事の時『寄付⇒待合⇒蹲』として使えるようにしたいとのご要望です。広縁サイズは台目畳4枚ほどです。

設計図書など

間取り図
・問題は蹲で、床上の畳敷き空間なので、通常の蹲の雰囲気では違和感があります。そこで奥にカウンターと陶器手洗いを付け、手水鉢を見立ての蹲にする案です。

【after】茶室、露地平面図

イメージパース図
・寄付き兼待合としては、畳敷きで出窓も大きく、明るく快適な空間です。
・その奥に、身を清める見立ての手水がさりげなくある雰囲気です。

【after】茶室展開図

茶室、水屋展開図
・寄付きとして使うため、吊り収納の上部に竹釘を打って軸を掛けれるようにして見立てで床の間にします。
・カウンター下に乱れ箱が置けます。

【after】内観イメージ

【戸建て茶室】四畳半二間を茶室と水屋にする

・親から譲り受けた飲食店の座敷を、茶室に改装する計画です。

設計図書など

【before】間取り図
・古い家屋で四畳半二間の和室です
・入り口から三和土が続いていて和室に入る動線です

【before】間取り図

【after】間取り図
・茶室は床の間を一間半、奥行き二尺程付けています。水屋の無駄な空間を作らないで、茶室の床の間を作りす。

【after】間取り図

イメージパース図
平屋なので、屋根勾配に合わせた天井に作り替え解放感を作ります。『民家調の数寄屋』の茶室にしています。

【after】イメージパース図

【戸建て茶室】オーストラリア住まいの茶の湯リビング

この方はオーストラリアに住んでおられて、裏千家や表千家など長く茶の湯をされている方です。
改装で暖炉を無くし、そこに茶の湯インテリアを作りたいとの相談です。
お客様にお茶を点てる時は、リビングで点てるので、ここは、お点前の練習とフォーカルポイントです。
『見立ての床の間』と『茶道具を置く』ことが、インテリアの見せ場になります。

設計図書など

【before】間取り図
広い20畳ほどのリビングダイニング
右上の暖炉を無くし、そこに『床の間、茶道具』を置く、茶の湯空間の計画です。

【before】間取り図

【before】暖炉の写真
改装で暖炉を壊すため、左の板仕上げはクロス仕上げになります。床廻りが、金沢の赤壁のような色合いのクロスです。

【before】暖炉の写真

茶の湯空間イメージパース
右面を床壁に見立て、掛軸と花を飾れるようにします。左側は違い棚風の棚を付け、下に茶道具を取り合わせて置きます。

【after】茶の湯空間イメージパース

『本格的な茶室を作りたい』『茶室設計をしてほしい』『DIYで作るのでアドバイスがほしい』など、様々なご要望にお応えします。
お気軽にお問い合わせ下さい。

マンションでも炭を使う炉を切る方は多く、茶事や茶道教室を開き生活を楽しんでいます。