本格的な草庵茶室は、なるべく丸太柱を使いますが、建具が当たる所などは面が取ってないと隙間が出来てしまうため、面皮柱を、要所要所に使います。
柱が角で無いことでとても柔らかい雰囲気の空間になります。材は杉で木目も緩やかな曲線を描がいていてこれも優しい雰囲気で美しさを作ります。
貴人口の建具は腰付障子で、腰はノネ板張りとし、その押さえは竹や削り木を使うのが通例です。これは数寄屋の得意な建具屋が作ります。
躙り口の『挟み鴨居』も杉の割丸太を使い柔らかい雰囲気を作り、挟み敷居』は蟹杢など木目の表情のある材などです。お客様が躙るところなので、味わいのある風景を作ります。
躙り口の上は窓を付けますが、ここでは下地窓を付けています。壁の下地の『竹の小舞』を塗り残したようにして作る窓ですが、茶室では竹では太く隙間が少なく採光に支障があるので、細い皮付きの葦(ヨシ)が使われます。
下地窓の室内側は、片引き障子にするのが通例です。(連子窓は引違い障子が通例)戸当たり(左側)は竹などを使い、侘びた雰囲気を作ります。
躙り口は2.5枚の板戸で、上框を付けず、古雨戸の一部を利用したという簡素な気持ちの表現と言われています。
下の写真は、赤松皮付丸太の床柱と、天井廻り縁の丸太同士の納めです。角材と違い丸太の納めは隙間ができますので、それを綺麗に見せるのが、数寄屋大工のならではの技量です。
また、丸太の廻り縁と天井材(へぎ板の網代)の納めは、小竹を入れて綺麗に隙間を作った繊細な作りです。
平天井(左側)はへぎ板の網代で納めに丸太を使っています。駆け込み天(右側)は、杉丸太の垂木に、小舞の竹の構成です。
天井廻りは数寄屋大工の腕の見せ所になります。