オーストラリアに住んでいるご婦人から、暖炉(右上写真)を無くして、そこに茶の湯インテリアを作りたいと相談がありました。私の著書、茶の湯インテリアを読んでくれた方です。
お客様にお茶を出すときは、リビング側(右下写真)で点るので、ここは、お点前の練習とフォーカルポイントになります。
『見立ての床の間』と『茶道具を置く』インテリアが条件になります。
赤いクロス仕上げが金沢の赤壁のような色合いですので、このコーナーを『壁床と床脇』にイメージしました。床脇は違い棚のような飾り棚を付け、下に茶道具を(飾るように)置くことを提案しました。茶の湯空間の素敵な所を凝縮したようなコーナーです。
もとても喜んで頂き、違い棚は直ぐに旦那さんがビルダーに頼んでくれたそうです。
このご婦人は、オーストラリアでも裏千家でお稽古をしていて、今は近所の表千家のお稽古をしてるそうで、茶道が世界で広まっているのを実感します。
日常生活の中に茶の湯があるのは、素敵な暮らしだと思います。茶の湯はお稽古事ではなく『生活文化』だと語る茶室研究者も多くいますが、私も同じ思いです。