Ichigo Ichie

イチゴ イチエ

NFTart by YUJIRO ONUKI 【大貫雄二郎】

一期一会は、千利休が「露地に入り出るまで、一期に一度の会のように客を敬うべし」と弟子に伝えた言葉です。
これは「茶会で客と過ごす時間はたった一度きりのもの。もしかすると、お互い一生会えないかもしれない。その気持ちでこの瞬間を大事に今できる最高のおもてなしで人と接しましょう」という茶道の心構えを表しています。

Ichigo Ichie concept

イチゴイチエ コンセプト

この デジタルアートは『床荘りの掛け軸』により、客をもてなすテーマを変えることが出来る『一期一会の精神』を表現しています。

茶事のテーマは第一の道具と言われる、僧侶の書『禅語の掛け軸』で茶道の侘びの精神を表現します。掛け軸を変えることで、おもてなしの精神を無数の形で表現できるのが茶道の魅力です。

作品リスト

Digital art list

夏椿庵(茶室) Natutubaki An

 東京のベットタウンのマンションの10階のお宅の10㎡程の洋間を改装した茶室です。東京では珍しく、マンション群の敷地内は緑豊かで新緑や紅葉が楽しめます。10階なので空が近く、見晴らしの良い住居です。
 茶室の床の間は、RC造の梁型を隠しながら斜めに配置、お客様が目に付きやすいくフォーカルポイントになっています。

完成写真 Completed photo
平面図 Plan view
展開図 Development view

Natsutsubaki An "Enso" #001

禅の書画『円相』
図形の丸を一筆で描いたもので『悟り、真理、仏性、無限、宇宙』などを象徴的に表現したものとも言われますが、その解釈は見る人に任されるのが禅の書になります。

Natsutsubaki An "Zuiun" #004

禅語『瑞雲』
「吉兆として出る雲」とされる、めでたい兆しとして出現する、紫色や五色彩に輝く雲を表します。

Natsutsubaki An "Yanagihamidori Hanakurenai" #003

禅語『柳緑花紅』
柳は緑色、花は紅色に咲くように、それが本来の自然のままの美しさ。
全てのものは種々様々に異なっており、それぞれに自然の理が備わっている。

Natsutsubaki An "Haku un yūseki o idaku" #005

禅語『白雲抱幽石』
白雲が幽寂な石を抱いているのみ、と言う侘び住まい風情。世俗との交渉を絶ち俗塵を離れ、幽居する隠棲者の心境。

Natsutsubaki An "Tsukikiyosi Senkonoaki" #002

禅語『月清千古秋』
月の澄みきった秋の光景は、大昔から今も変ることはない。
これからも永遠に変わらない真実の姿。

Natsutsubaki An "Kōyō aki kaze ni mau" #006

禅語『紅葉舞秋風』
紅葉が秋風に、散りながら舞い、そして地面を覆った紅葉も舞う風景。悟りの境地は、歓喜の中に、また静謐の中に、自然の姿と同じように現れる。

OpenSeaは世界最大規模の、NFTマーケットプレイスです。
「NFT」はNon Fungible Tokenの略称で「非代替性トークン」とも呼ばれ、ブロックチェーン上で発行および取引されるため、代替不可能な唯一無二であることを証明できます。
つまり今まで、デジタルイラスト等は簡単に複製ができるため、アートとしての価値をみいだせなかったのですが、NFTの技術により、ようやくデジタル作家にも光が差してきたと言えます。
そのNFTアートの発行、取引先の世界最大手がOpenSeaです。

制作工程

Production process

 この作品は私の設計した茶室の、プレゼンテーション用に開発した技法をさらに進化させたアートです。
 茶室設計は使い勝手や合理性を考えぬき、空間デザインと素材選びは慎重に検討して決めていきます。この思考時間に、どのようなテーマの茶事が行われるかイメージが膨らみます。逆の言い方をすれば、そのイメージが茶室のデザインを決めて行くこともあります。
 茶室はアートではなく、茶人が客を思い、道具を準備して茶事に使われてこそ、心を打つ美しさが作られます。

手描き工程(手を動かしイメージを膨らませます)
 1.鉛筆でパースを起こします。
 2.マーカーを使いで着彩をします。

デジタル工程(発光画面で見るので『光』を表情豊かに再現)
 3.床の間に禅語の掛軸をかけ、茶事のテーマを決めます。
 4.陰影レイヤーをつけます。
 5.光があたる部分を消し、室内に回る光の表現
 6.禅語の精神性を表す光の効果、モチーフを描き加えます。

 茶室1邸の床荘りを変えることで、いくつもの茶事テーマが作れます。設計した多くの茶室の内の10邸程に絞り、床荘りを変えることで作品を増やしていく計画です。